バターを室温に戻したい時ってありますよね。
料理のレシピでバターを使用する際はあまり登場しないかもしれませんが、お菓子・パン作りでバターを使用するレシピにはこの「バターは室温に戻しておく」という指示がよく登場します。
私にとってこの「バターを室温に戻しておく」という下準備はうっかり忘れるポイントナンバーワン!
うっかり忘れたまま調理できたら良いのですが、お菓子とパン作りはそうもいかず・・・
バターを室温に戻し忘れた時の対処法をご紹介していきます。
バターはなぜ室温に戻すのか?
そもそもお菓子・パン作りに使用するバターはなぜ室温に戻すのでしょうか。
またバターそのままの固さでなく、溶かしきったバターでもないこの「室温」のバターを用意する意味はあるのでしょうか。
①固いままのバターで代用はできないのか?
通常バターを使用する際、お菓子・パン作りともに、卵や小麦粉と混ぜて調理していきます。
その際にバターが固いまま使用すると、油脂である卵と混ざりにくいことや、泡立て器やゴムベラで混ぜにくくなってしまいます。
バターが全体に馴染み、混ざらないとダマになりお菓子・パン作りと失敗の原因になってしまうため、バターは「室温」という柔らかさに戻します。
②溶かしバターで代用はできないのか?
バターを室温に戻し忘れた!!という時、ふと頭によぎるのが・・・
「電子レンジでそのままバターを溶かしてしまおうか」という誘惑。
そもそもお菓子・パン作りの中で、どうせ形がなくなるまでバターは混ぜるものだし、
溶かしバターを用意してしまっても結果同じではないか。
と、思う方お菓子・パン作り初心者の方、多いと思います。
けれども、これはやってはいけない選択です!
バターには3つの特性があり、その特性を活かしてお菓子・パン作りを行います。
そして、なんと溶かしバターにするとその3つの特性がなくなってしまうらしいです!
●可塑性
☞粘土のように変形でき、形を保てる特性:パイ生地はこのバターの特性を使うことにより出来上がります。可塑性の力が発揮できるのは13度前後とのこと。
●ショートニング性
☞グルテンの形成やでんぷんの結着を防いでくれる特性:これによりクッキー生地やタルト生地がサクサクに仕上がります。ショートニング性の力が発揮できるのは、20度前後とのこと。
●クリーミング性
☞細かい気泡をたっぷり含むことができる特性:これによりスポンジケーキやパウンドケーキがふわふわに仕上がります。クリーミング性が発揮できるのは20度から23度とのこと。
溶かしバターを使用する時は、生地が混ざり合ったあとに風味づけ・しっとりさせるために使用するみたいです。フィナンシェのような焼き菓子によく使用されますね^^
よって、固いバターも溶かしたバターも室温に戻したバターの代用とはいかないようです。
そもそもバターを室温に戻す、どのくらいの固さ?
室温に戻したバターの代用は、現在はあまりなさそうです。
そもそも室温に戻したバターってどのくらいの固さなのでしょうか。
答え:指でバターを押して跡が残るくらいの固さ!
みなさん想像つきますね。溶けてもなく、固くもないあの固さです。
バターを室温に戻し忘れた時の応急処置
室温に戻した状態のバターの代用はないことがわかりました。
しかし、うっかり室温に戻し忘れるときもあるはず!
どんなうっかりした時の対応方法を最後にご紹介します。
①電子レンジの一番低いワット数で5秒から10秒
室温バターの作り方のなかでも少し危険な方法ですがお手軽かつ早いと思われます。
溶けたら冒頭でもお伝えしたように、バターの特性が失われてしまうわけなので・・
電子レンジのいちばーーーん低いワット数で少しだけ温めます。少しずつ様子を見ながら温めましょう。
②湯煎をして温める
これはバターの様子をみながらできるので、安心な方法です。
けれどもお湯と小さい鍋かボウルを用意しないといけないのが面倒。お手軽ではありませんね。
③発酵器(炊飯器の保温)に入れてしまう
これも高温にならないので安心な方法です。
発酵器がないひとはオーブンの発酵機能でも問題なし。
30度程度で保温できる場所にいれてしまう方法です。
④ドライヤーで温める
バターをラップでまとい、上から温風をかける方法です。
少し時間がかかりますが、溶かしバターには絶対にならないので安全な方法のひとつですね。
⑤こたつ・電気毛布で温める
こちらも溶かしバターにはならなさそうなので、安全なやり方と言えるでしょう。
衛生面は置いておいて、自宅にこたつや電気毛布(ホッカイロでもよさそうですね。)がある方はこちらも試してみてください。
バターを室温に戻し忘れた時の代用品はない!
バターを室温に戻し忘れた時の代用になるものはありません。
急いで室温バターを作ることが対応方法といえるでしょう。
バターの特性を知って、美味しいお菓子・パン作りを楽しみましょう。
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